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ヴェリーサ日乗

最近読んだ本 二冊

貸出期間を延長して、ようやく読み終えた本二冊。「盲目の時計職人」リチャード・ドーキンス、2004年3月31日初版発行、早川書房。「生命の謎 ドーキンス『盲目の時計職人』への反論」、中川豪、2020年1月20日第1刷発行、アートヴィレッジ。

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時間がかかったのは、こういう専門書 でない科学者が書いた一般向けの本 啓蒙書? を読むのが久しぶりだったせいかも。ただドーキンスのものは大部なうえ文体が少し読みにくい。しかし、ダーウィンは生命の始まりまで考察したんですかね。「種の起源」であって、生命の起源ではなかろう。

進化論生物学では、生命の起源まで考えるらしい。それに基づいて、模擬実験などしたり。「命の謎」はそれらを丹念に否定して、RNA/DNAとその情報や酵素は自然の作用ではできず、デザイナーがいないと作られないと結論する。ドーキンスはP233に「…主 * デザイナー は(中略)最初の複製装置と複製子のパワー(中略)最初のDNAとタンパク質という装置を設定なさったと論じられる」と書いて、少し後に「そのデザイナーの起源を説明しないままにしているのだから、まさしく何も説明していない。」と書いた。中川さんはそれに真っ向から立ち向かったわけです。

科学者は理詰めにわからないことがあると嫌がる。私など「生命」や「宇宙」の起源や「意識」がなぜ生ずるかはわからなくていい、というか、人にわからないことがあってそれが世界と思います。そもそも進化生物学も(過去についての)天文学も歴史学です。残ったものから想像し創造する。遡った実験はできません。

理詰めのあげくに全知全能者しかできないことがあるなら、全知全能者がいる ある? と考える思考形態は私にはわかりません。欧米のようにキリスト教の教えに染まっているなら、ドーキンスのようにそれに立ち向かうのもわかりますが。頭のいい日本の科学者やエンジニアが、考え続けて行きつくのがJehovaというのもわからない。まあ大日如来に行きつけとは言わないが。それは人格神でないのかな。

by ranastacia | 2024-04-30 17:08 | 蔵書
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2022年11月にプロフィール後段を閉じて、忘備ともろもろの独り言に。

by ranastacia
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