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ヴェリーサ日乗

エニグマの元

エニグマ暗号のことを書こうと思っていたのに、いろいろかまけて忘れていた。機械暗号機の初めは、アメリカ第三代大統領トーマス・ジェファーソン考案した「ホイールサイファー」、現在ではストリップサイファーと呼ばれている多表式の暗号機(長田順行、暗号の秘密 より)。これは円筒形の木を輪切りにして、中心軸に穴をあけた回転板に円周上にアルファベット26文字を不規則に配置したものを25枚用意した。そして中心の穴に軸棒を通して回転板が自由に回転するようにしておき‥、文章だとかったるいので、略図を。なお左は原理はジェファーソンと同じですが、回転板を板状にして同様な暗号化をする、Type-M-138-T4 暗号機。第二次世界大戦で使われた。これをストリップサイファーと呼んだのだと思います。

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右上がその姿。原文を横棒に合わせて並べると、25種類の暗号化された文ができます。ただ原文は最長25文字。同じ機械を受け手が持っていれば、回転板を回して暗号文にすると、残りの25箇所のどこかに、原文が現れる。

この仕組みを電動タイプライターと組合せ、さらに、回転板を機械電気仕掛けで一字毎にずらして解読されにくくしたのが、アメリカのヘバーン暗号機。ずらし方はコードによったようです。この特許を買い取ったベルリンのシュルビウスがさらに機構を追加して完成させたものがエニグマとのことです (広田厚司、エニグマ暗号戦より )。

1790年の発明が電動タイプライターでよみがえって機械暗号機になったわけです。回転板 ローターとよぶ は25個もなく、当初は5個だった。

by ranastacia | 2024-01-17 16:56 | 蔵書
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2022年11月にプロフィール後段を閉じて、忘備ともろもろの独り言に。

by ranastacia
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