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ヴェリーサ日乗

ダンテ 神曲 おまけ

ダンテの神曲を読みはじめて、ここの前であきらめた人はいないと思います。地獄篇 第三歌。これも、いくつかの訳にて。

夏目漱石 倫敦塔より


うれい の国に行かんとするものはこの門を潜 くぐ れ。


永劫の呵責 かしゃく 遭あわんとするものはこの門をくぐれ。


迷惑の人とせんとするものはこの門をくぐれ。


正義は高きしゅ を動かし、神威 しんい 最上智 さいじょうち は、最初愛 さいしょあい は、われを作る。


我が前に物 もの なしただ無窮あり 我は無窮に忍ぶものなり。


この門を過ぎんとするものはいっさいの望 のぞみ を捨てよ。


森鴎外訳 アンデルセン 即興詩人より


こゝすぎて うれいの市に こゝすぎて 歎きの淵に


こゝすぎて 浮かぶ時なき 群にこそ 人は入るらめ


あたゝかき 情けはあれど おぎろなき 心にたづね


きはみなき ちからによりて いつくしさ 法をうき世に


しめさんと この關の戸を 神や据ゑけん


アンデルセンは後段は書かなかったようです。後段は「われを過ぎんとするものは一切の望みを捨てよ」平川訳、「一切の望みを捨てよ、我を入る者」三浦逸雄訳とも。神曲を読んでいなくても、きいたことのあるフレーズです。


以下岩波文庫の画像、下巻が201ページから始まっています。上下通しのページになっている。下巻に索引がついているせいでした。上巻 昭和25年11月5日 第10刷発行、下巻 昭和26年4月10日 第13刷発行 と下巻の刷数が多い、不思議。


ダンテ 神曲 おまけ_a0169550_09262050.jpeg


by ranastacia | 2023-04-30 09:25 | 蔵書
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2022年11月にプロフィール後段を閉じて、忘備ともろもろの独り言に。

by ranastacia
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