海外文学好き
翻訳小説好きと少しちがう言い方で、海外文学好き。段ボール箱から出した文庫本に、私の世代ならいかにもというものがありました。
審判 フランツ・カフカ 本野亨一訳 角川文庫 昭和45年9月30日二十三版発行 変身 フランツ・カフカ 高橋義孝訳 新潮文庫 昭和45年9月30日三十刷 異邦人 カミュ 窪田啓作訳 新潮文庫 昭和46年1月15日三十九刷 シーシュポスの神話 カミュ 清水徹訳 新潮文庫 昭和44年11月15日二刷 最後のものを除いていずれも昭和二十年代終わりが初版。その頃から読み継がれて十五年余り、これらの定番小説を最近の人たちも読んでいるんでしょうか。なおシーシュポスの神話には《付録》として「フランツ・カフカの作品における希望と不条理」が収録されています。原著を出版しようとした時 1942年 はヴィシー政府。ユダヤ人作家カフカを思んぱかって「キリーロフ」に差し替えられていた由。第二次世界大戦中からフランスではカフカの作品は知られていた。長編が日本で翻訳されたのは敗戦後でなかったか ? 花田清輝さんが「カフカ小品集」を翻訳、出版したのは1950年10月3日(世紀の会)でした。 と思い出した集英社文庫のポケットマスターピースシリーズに新訳でカフカ集があり持っていました。シリーズの01、2015年10月25日第1刷。審判は「訴訟」、変身は「変 かわり 身 み」の題に。「公文書選」としてオーストリア=ハンガリー帝国の労災保険局に勤めていた時代の年次報告書が二種おさめられていて、木材加工機械の事故防止、採石業の事故防止と、今なら安全対策といいそうなところ「事故防止」となっています。カフカが有能な吏員だったことは全く知りませんでした。解説によると、前者は「流刑地にて」の処刑機械、後者に含まれる採石場の写真は「訴訟」の結末部分を彷彿とさせる由。
by ranastacia
| 2023-03-19 14:50
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