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ヴェリーサ日乗

アリスの本

今も持っている広瀬正さんの本のことを書きそうになって、蔵書日記で取り上げたと思い出した。書名のみ、「マイナス・ゼロ」と「タイムマシンのつくりかた」。画像のあるアリスの本の続き。「ふしぎの国のアリス」芹生一訳、偕成社文庫2063、1985年12月12刷。「鏡の国のアリス 完訳版」芹生一訳、偕成社文庫2065、1992月10日49刷。2064が何か気になります、後ろの目録で「さぶろべいとコブくま」松谷みよ子 でした。

大正時代にアリスのパロディ作品が書かれたのだから、日本での初訳がいつの誰によるか気になります。原著は1865年と1871年の刊行。'Through The Looking-Glass,and What Alice found there' を鏡の国のアリスの表題にした初めも。 翻訳作品集成さんはSFばかりか、戦前の翻訳作品までデータベースに加えています、すばらしい。それによると、初訳は1920/2 明治43年2月 表題は「愛ちゃんの夢物語」丸山英観訳。Alice's Adventures in Wonderland の訳にピッタリ。「鏡」の方は、戦前の翻訳は見つかりません。戦後では「かがみの国のアリス」楠山正雄訳、1948年、小峰書店、が早い。「ふしぎの国のありす」('ありす'は翻訳集成さん記載ママ)と合わせて出版されているので、題を合わせたのかも。

しかしリストを見るといろいろな方が訳されています。児童書もあるところも関係していますが。私の芹生さんの「不思議」のあとがきに「解釈のまよった個所については、マーティン・ガードナー氏の注釈書をはじめ、岩崎民平、田中俊夫、生野幸吉、福島正実氏の日本語訳を参照させていただきました。」とあります。「不思議」の方には上記に入っていない岡田忠軒 ただたか さんの名があります。注釈書は'The Annotated Alice・Lewis Caroll'ですね、蔵書日記に書きました。福島さんの翻訳は亡くなられる少し前のもの。義弟に当たる方が、翻訳するより「未踏の時代」を書き進めてほしかったと書かれていました。福島訳は柳瀬尚紀さんに語呂合わせの翻訳の悪い処理 ? 例で引かれて、こう訳せば日本語にできると書かれていたのでなかったか。柳瀬さんばかりでなく、高橋康也さんも訳されています。おそらく、どちらも訳注のない凝った翻訳と思います。芹生さんの訳書にはどちらも少しだけ訳注があり、読んでおもしろい。


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by ranastacia | 2023-02-14 08:45 | 蔵書
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2022年11月にプロフィール後段を閉じて、忘備ともろもろの独り言に。

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