地球博物館で開催されていたのは、昭和初年の観光用風景画の展覧会。新聞テレビ見ないから、県のたよりに掲載されていなかったら、知らずにいた。最近は図書館でも本を借りないから、並べてあるパンフレットにも気がつかなかっただろう。
今回は先に知っていて、たまたま図書館で見つけました。会期は明後日まで。

鳥瞰図とよんでいますが、私見では俯瞰図。バーズアイではない。初三郎さんのようなちゃんとした絵でない、簡略な観光図には、海の彼方のハワイ諸島まで描ききこんだものがあると、荒俣さんがどこかに書いていました。こちらにはそれはない。

昭和二年に新聞社が「日本八景」を企画し、全国から官製はがきに一枚一景書いて募った。三か月間の投票総数は九千三百二十万枚!当時の日本の人口は 植民地含め 六千万人。観光地からの組織票があった(国立公園制度はまだない)とはいえ、盛り上がったのでしょう。
投票数からだけでなく、審査員が討論して決まった八景は以下。八つの風景区分に分けられています。
華厳滝 瀑布
上高地 渓谷
狩勝峠 平原
室戸岬 海岸
木曾川 河川 日本ライン下り?辺り
別府温泉 温泉
雲仙岳 山岳
十和田湖 湖沼
私は二ヶ所しか行ったことがありません。これらは「日本八景名所図絵」昭和5年8月1日発行、主婦の友社、として刊行され、その絵を描いたのが初三郎でした。まくらが長かった。
また、のせてある平凡社ライブラリーは昭和3年8月1日に発行された「日本八景 -- 十六大家執筆」の図版 八人の画家が描いた を除いたもの。疲れてきたので、文人画家の名前は略。一つ、十和田湖は泉鏡花が書いていますが。当時は訪ねることが大変な山奥だったらしい。鏡花の紀行文は珍しいと思います。